上げたハードルを、くぐる。

推しは作るものじゃない、増やすものだ。

グリーンマイルでマイルが貯まった(感想文のようなもの)

 

〜マイルを貯めたお客様の声〜

肌ツヤがよくなり、ニキビが治りました!(20代女性)

次の日の集中力が上がり、作業効率が向上しました!(20代女性)

リダイヤルの指さばきがどんどん早くなりました!(20代女性)

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ということで、グリーンマイル全33公演お疲れ様でした~~!!

 

東京楽も大千穐楽も荒天だったけれど、私が観劇した日は超雨女なのに雨がほとんど降らなくて摩訶不思議〜摩訶不思議〜摩訶不思議〜oh yeah~!!

グローブ座にこんなに通うことももうないんじゃないかな…今日も財布が軽い!!!!!

まだまだグリーンマイルのこと消化できてないのですが、記憶が薄れる前に今の時点での感想をメモしておこうと思います。長いです。セリフはあやふやです。

 

 

・死刑の話

ポール「まず、俺は死刑が必要だと考えている。それは被害者家族の感情の面からだ。お前もいつも見ているだろ?被害者家族が大きな大きな怒りと悲しみを抱えているのを。俺たちは被害者家族の代わりに刑を執行するんだ。」

ディーン「でも俺たちの気持ちは?俺たちに感情はないの?」

ポール「俺たちに感情はある!だから何重も仕掛けを施しているんだ。最後の晩餐を聞くのも、入念な予行演習を行うのも、スポンジを塩水で濡らすのもそうだ。俺たちは死刑囚を守る、守りながら俺たち自身も守っている。ディーン、お前はこれ以上この仕事を続けられるのか?」

ディーン「分からない、ただ殺したくないんだ」

ポール「コーフィーが無罪だからか?じゃあ殺すのは誰か?椅子に座らせた人か?スポンジを濡らした人か?死刑執行令状にサインをした人か?裁判官か?死刑囚を殺しているのはこの国のすべての人間だ。」

ブルータス「それは言いすぎじゃないか」

ポール「そうか?」

ディーン「むちゃくちゃだよ」

ポール「むちゃくちゃに聞こえるかもしれないがこれが民主主義だ。この国の人間はこの方法を選んだんだ。だから俺たちは言っていいんだ、自分の意志だけでボタンを押している訳じゃないと。」

ディーン「でもコーフィーを殺していい理由はない」

ポール「ああ、何もしていない人間を殺していい理由はやっぱりどこにもない」

ブルータス「俺はやる。そしていつか俺が死んだとき神になぜかと聞かれたら、仕事だったからと言う。神にこの世の理不尽を嫌と言うまで教えてやるんだ。神が悔い改めるその日まで。」

最初にグリーンマイルを見た時、やるせなさを感じて涙が止まらなかった。でも新大久保駅に向かう道でこのシーンを思い出して、ああ、自分は偽善者だなあと思ってしまった。日本にも死刑はあるし、執行している刑務官もいる。本当は無罪なのに死んだ人もいるかもしれない。ポールの考え方で言えば、日本だってすべての人間が死刑囚を殺している。そんなこと普段は全く考えてもいないのに、こんなときだけ悲しむなんてめちゃくちゃ偽善者だ。

刑務官の心理的ストレスを減らすため、日本では3つのスイッチを3人同時に押す、という話を聞いたことがあります。コールドマウンテンで起こっていたのは遠い世界の出来事ではないと思って少しぞっとした。

 

最初はこのシーンで上着を脱いでいるのがなぜかよく分からなくて「つなぎ姿の加藤さんありがとうな!よっ厚い胸板!」って思っていた自分を恥じたい。看守という肩書を脱いで話していることを表現したかったのかな…なんて思ったり。

そう思った理由が2つあって、1つ目が帽子を脱いで刑務所に来たばかりのコーフィーと話すシーン。

ポール「新聞には事件の2日前にノックスビルの駅にいたとあった、お前はテネシーの方の出身なのか?」

コーフィー「分からないです」

ポール「お前はどこから来たのか?空から降ってきたのか?」

コーフィー「分からないです」

ポール「お前は夜いつも泣いているな」

コーフィー「ごめんなさい」

ポール「いや…俺はこの仕事を長くやっている、それなりにたくさんの人を見て来た。極悪人ばっかりだ。デラクロアは今やこんな感じだがここに来て変わった。神を信じるようになって自分の罪の重さを知った。その一方ウォートンのような奴もいる。奴が悔い改めることは一生ない、それくらいの見極めはつくようになった。こんなこと言ったら変だが、本当にお前がやったのか?…いやこれはお前が俺の水道管問題を解決してくれたからではなく、単純に、お前の中に暴力が存在しているとは思えないんだ。どうなんだ」

コーフィー「分からないです」

 死刑が確定し、覆るはずのないコーフィーに「本当にお前がやったのか?」と聞いたり、他の死刑囚の個人的な印象を話したり。看守主任のポールではなく1人の人間としてのポールが表れていたシーンだと思った。

2つ目がジャケットを羽織りながら所長と話す終盤の死刑執行前のシーン。

所長「今回の処刑に私は立ち会わないことにしたよ、コーフィーは大丈夫か」

ポール「あいつは大丈夫です」

所長「私はいまだに分からないよ、あれほどの悪とあれほどの善があの男のなかに同居しているのが。私の妻を救った男と双子の女の子を殺した男が同じとは思えない、君は分かるか?」

ポール「分かりません」

 コーフィーから事件の真相を全て聞き、真犯人はウォートンだと分かっているのに「分かりません」と答えるポール。

この2つから”看守主任のポール”という服を脱ぎ着して感情が揺れ動く様子を描いているんじゃないかな、と思いました。

 

・加藤さん演じるポール

ふっくらポール本当に素敵だった~!身体の厚み!シルエットが四角!

横アングルから見えるぷくぷくほっぺたが好きでした…絞らないでほしい…絞るんだろうけど…

 

やはり触れざるを得ないのはラストシーン。

ポール「あの瞬間体をぐっと前に突き出したお前は俺と目が合った。意識ある人間の目をしていた。」

ポール「あれから70年だ。ディーンはすぐに仕事を辞め、それからすぐにコールドマウンテンはなくなり、俺もブルータスもお払い箱になった。そのあともいろいろなことがあったがみんな死んでしまった。所長もブルータスもディーンも、でも俺は生きている。あのときお前が命を吹き込んだからだ。自分の残りの命を全部。そうだろ?」

コーフィー「覚えてないよ」

ポール「そのことに気がついたとき、救ってくれたと思ったけれどそれは勘違いだった。救いってのは呪いでもあるんだ。お前は俺に生きるという罰を与えてくれた。それでも俺は少しずつ年を取っている。そのことからは逃れられないらしい。」

ポール「預かっているメダル、早く返したいよ」

コーフィー「それは旅人のメダル、ボスを守ってくれる。待ってるよ、ボス。」

ポール「ああ、必ず行くよ。だけどコーフィー、それにしたってグリーンマイルは長すぎる。」

舞台に浮かび上がったグリーンマイルの両端にコーフィーと向かい合いながら立ち、諦めなのか喜びなのか、なんとも言えない表情で「それにしたってグリーンマイルは長すぎる。」とつぶやくポールが今も忘れられません。

(余談ですが「最後生き返ったの?!」って言っているJKがいたので教えてあげたかったですw確かに初見じゃ分からないかも)

そして私は全然ポールのやり方に共感できなかった。いくらパーシーが嫌な奴だからってここまでするか?パーシーを平手打ちしたとき会場から笑いが起こったけれど、私は全然笑えなかった。ゆとりなんで。

死刑囚が快適に過ごせることに並々ならぬこだわりがあるからだとしても、この刑務所めっちゃブラック企業じゃない?!と思ってしまった。これだからゆとり世代は。

 

・共演者の方々がすごい(語彙力)

把瑠都さんの青い瞳がとにかく美しくて…!!びっびび美人…!!

最初は無罪なのに死刑になっちゃうコーフィーかわいそう…って思っていたけれど、よくよく考えると100%善人ではないんですよね。

コーフィーがメリンダから吸った病気をパーシーに移し、間接的だとはいえウォートンを殺したのはたまたまではなく、明確な殺意があったと思う。少なくともポールはそう考えている。その証拠に「ああ、コーフィーが処刑した」といセリフがあった。

だから、周りから「無罪にしてやれなくてごめん」と言われていることには少し違和感を感じた。

そして、印象に残ったのはこのセリフ。

コーフィー「デラクロアは行った。あいつは幸せだ。」

刑に処されたデラクロアを幸せだ、と言うコーフィー。コーフィーは死ぬことに恐怖を感じていなかったし、私には死にたがっているように見えてしまった。 

コーフィー「何も覚えていなければ夜眠れないことはない」

ポール「でも覚えていれば運命が変わるんだ」

コーフィー「俺は助けられなかった、助けたかった、でも助けられなかった」

コーフィー「ボスは心配してくれた。俺はちょっと疲れていたんだ。見たり感じたりする痛みに疲れた。雨の日コマドリみたいに寂しく歩くのも疲れた。俺はどこから来たのか分からなかったけれど、終わらせるんだ。いいんだ、みんな終わらせるんだ、大丈夫だ」

配役が発表されたときは把瑠都?!って思ったけれど(ごめんなさい)、コーフィーは把瑠都さんにしか演じられない!というくらいはまり役だった。加藤さんと釣りに行った報告待っています。

 

あと、デラクロア役の加納さんがメリンダも演じていたのですが切り替えがすごかった。浮浪者のような見た目の陽気なおじさんから、金持ちの奥様の優雅な動作に切り替わるのがすごい。役者さんってすごいんですね。(IQ3)

 

そしてウォートンの目が離せない不気味さ。この不気味さがすごい2017受賞。今でも焼けた焼けたデラクロアの歌がふとした瞬間に脳内再生される。

「地獄を見せてやる」みたいなことを言っていたウォートンが地獄を恐れていたのが印象に残っているのですが

ポール「コップを返せ」

ウォートン「返さなかったら?」

ポール「他の看守を呼んで無理やり取り上げるだけだ、そしてこれがお前にとって最後のコーラになる。地獄にもコーラがあるなら話は別だがな」

ウォートン「地獄の話はやめろ!!」

このへんはキリスト教信仰が関わっているのかな…詳しい人に聞いてください… 

 

ツイッターのパシ島いじりはもちろん、見る度にアドリブが増えていて現場の雰囲気の良さが伝わってきたな~!私はディーン推しです。

 

・マウスヴィル

ブルータス「マウスヴィルはどうだ?入場料は子供2セント、大人10セントだ!年間パスもあるぞ、10セントだ!同じなら年パス買うよな…水晶でできたガラスがついていて、中を覗くことができるんだ、テントの中にはプラスチックの箱やトイレットペーパーで作られた街があるんだ!…しょぼいな…フードコートやショッピングモールもあるぞ!ミスタージングルスはタロット占いをしてマウスヴィルの母と呼ばれるんだ!」 

熱烈なファンがたくさんいる(?)マウスヴィルのアドリブ。私も大好きでした。

私が聞いた中で一番好きなのは「ネズミたちが経済を回すんだ!ミスタージングルスは糸巻きを回すんだ!」です。(笑)

 

・祈りの言葉

ポール「神よ、私たちが始めたこの行いを私たちが終わらせること許したまえ。そしてこの男、ジョン・コーフィー、飲み物のコーヒーに似ているけれど綴りが違うこの男を天国に迎え入れ安らぎを与えたまえ。この男をふさわしい方法で旅立たせんとする我々に過ちのないようにしたまえ、アーメン」

コーフィー「実りのイエス様、優しいイエス様、孤児(みなしご)のために一緒に祈ってください。終わりの時までそばにいて友達になってください、アーメン」

ポール「すまない、コーフィー」

学生時代教会での礼拝中、暇だからという理由で聖書を読んでいた加藤さんが唱える祈りの文句…神聖過ぎて神様もびっくりだよ…

あと自分の名前しか分からないコーフィーが祈りはちゃんと覚えているのが何だか切なかった。

 

・既婚者役の加藤さん

左手の薬指に輝く指輪!!!!!

ポール「私の水道管問題ですか?よろしくないですね、出てくる水が火のついた石油みたいな色してて、最近は小便しないときも痛くて困ってますよ」

所長「誰かに移されたんじゃないか?」

ポール「やめてください!私の相手は妻のジャディスだけです!まあ最近は妻の相手もできていないのですが…ただの原因不明の尿路感染症ですよ」

所長にからかわれるとめっちゃ怒る。え~~~~~~~~~~~~んめっちゃ好き。

絶対奥さんに心底惚れているじゃん。多分奥さんのためにアクアパッツア作ってる。梅干しとからすみも仕込んでる。愛妻家アキさん~~~~~~~~~~~!!

余談ですが、左利きの加藤さんが左手に腕時計を着けているのも新鮮で好きだった~基本的に客席から見て奥の手を使っていたから右利きという設定があるわけではない模様。

 

・ステージ

グレートネイチャーの様に回転するセットやプロジェクションマッピングはなく、とてもシンプルな舞台セットだった。その分照明を使った演出がとても美しかった。暗闇に浮かび上がる監獄から始まり、草原、川、星、そして緑色に浮かび上がるグリーンマイル。照明だけで全てが伝わってきた。3階中央から観劇したとき照明ばっかり見てしまったのは秘密。

京都劇場は客席に角度がついていて1階席でも照明が良く見えて嬉しかった。グローブ座もいい感じに地盤沈下しないかな。

これはたまたまだと思うんだけど、見切れ席でステージに近かったとき、デラクロアの処刑シーンで座席がガタガタ震えてちびりそうだった。自分も電気椅子に座っているような気分になって怖かった。

 

 

ここまで真面目に書いてきました。が、このブログを読んでくれている方はこんな重いブログ求めてないよね?!私は求めてない。疲れたし。

ということでここからは加藤ポールアキさんの好きなポイントをひたすら挙げていこうと思います。

 

・1932年の言い方

ポール「あのころ我々の州の刑務所はコールドマウンテンにあった。コールドマウンテンにはまだ電気椅子があって、オールドスパーキーと呼ばれていた。私はこの椅子で78回の死刑を執行してきた。これは78番目の男と私の物語である。1932年、秋」

もう初っ端から好き。世界で1番力強い1932年の言い方。せん、きゅーーひゃく、さんじゅうにねん(上手く文字に表せない)

 

・「ここはホテルじゃないからな。」の言い方

ポール「私はポール・エッジコムだ。このEブロックの看守をしている。何か欲しいものがあるときは私に言ってくれ。ただ、何でも好きなものが手に入るわけじゃないぞ。ここはホテルじゃないからな。

ホ↑テル

 

・事件の概要説明の畳みかけるようなセリフ

 眉間のしわに住みたい。

 

・コーフィーにポールのポールをつかまれる例のあのシーン

3階席から観劇時に一斉に前のめりになっているのが見えて、私の中の脇屋敷が「そういうとこだぞ加藤担~!」って叫んでいました。

 

・ミスタージングルスをおばさんに預けるという超現実的な提案をするところ

「最近フロリダにもできたそうですよ!」と余計なことを言うディーンをどつくのも好き

 

・ミスタージングルスに手を振ったり声を掛けたりするところ

看守トリオで万歳するのも可愛かった

 

・モップで掃除をするとき茶々を入れてくるウォートンを柄でどつくところ

 

・ウォートンにコップを渡さないいたずらをするときの笑顔

ここの笑い方超加藤シゲアキ

 

・瓶コーララッパ飲み

加藤さんはコーラ派ですか?ペプシ派ですか?

 

・トラックの荷台を叩いて発車の合図を出すところ

男前度がK点越えしてた

 

・指パッチン

 

・「思い出すんだよ!」とコーフィーの胸倉を掴んで詰め寄るところ

体格差に萌える

 

・パーシーを懲罰房から出す時に下を向いて大きく深呼吸をするところ

 

・祈りのシーンでの膝立ち

 

・ネクタイ

私が見た限りだいたい曲がってたのでコヤママを呼んでほしかった

 

・服の上からでも分かる加藤さんのおしり

 

・おしり

 

 

 以上です。

 今回何度か観劇させて頂いて、コーフィーの処刑シーンのポールアキさんが涙を流している日と拳を握って堪えている日があると気がついたとき、生の感情で出来ている舞台って素敵だな~と強く感じました。

当たり前ですが全く同じ回は1度たりともなくて、 役者さんの表情がその場で移ろうのが面白かった。舞台っていいね。

何度か噛んでいたけれどクスクス笑っている人がいて悲しかった…小山さんも言っていたけれど、その人だって噛むことあるじゃんね?!ってクソモンペ発動していました。

でも加藤さんのことだから、こういう人たちのことも踏み台にして大きくなるんだろうね(は〜好き)

 

ふとした瞬間でも顔が良すぎて顔面ルーブル美術館の加藤さんにまた舞台のお仕事ください!

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グローブ座大好きマンだけど、次は行きたい人が全員行けるキャパでやってほしいな…